出来るだけ後悔しないサーバーサービス選び
データセンターか社内で運用か
サーバーは、データセンターと呼ばれる、専用の建屋に収容されています。
地震の際に建物が倒壊したりしないよう、免震・耐震設計になっています。
また、一般的には、海からの距離、標高、断層、川が決壊した時の浸水などを考慮した場所に建てられます。
電気についても、停電は起きるもの、という想定で、無停電装置や自家発電機を設置、常に電力が供給できるようにしています。
このように、設備にもコストがかかることから、どうしても、家賃(サーバー1台あたりの施設負担金)は高くなります。
一方で、自社内や雑居ビルの場合はどうでしょうか。
社内に設置すれば、電気代だけで済むかもしれませんが、落雷があった時、停電になった時、サーバーを停めなければなりません。
また、地震や津波で、サーバーが壊れたり水浸しになれば、大切なデータも消失してしまいます。
そこまでリスクを考えてサービスを提供されていればいいのですが、「原価(サーバー1台あたりの施設負担金)が安くなる」との思いだけであれば、実際のユーザーは迷惑を被ってしまいます。
あるサーバー会社で、タワー型サーバーのハウジングを受け入れていると話を聞いたことがあります。
ラックに収容できないし、固定もできないし、どうやって運用しているのだろうと思っていたら、何と、床に直接、置いているのだそうです。
サーバーは20℃くらいの部屋の中で運用しないといけないので、ラックに収容し、冷却するのですが、床置きであれば、ホコリも一緒に舞って、サーバーにとっては嬉しくない環境です。
昔、データセンターを探している際、IXが入っているビルを紹介されたこともありました。
よく聞くと、「自家発電ではビル全体の電力は賄えないので、IXに関係した機器だけ、電力を供給している」とのことでした。
ということは、停電になれば、サーバーも停止し、エレベーターなども動作しなければ、要員の作業にも影響します。安かったのですがお断りしました。
CPUと処理速度
最近、Intelのatomチップを搭載した格安サーバーが出現しています。
このチップは、低消費電力化に特化しており、情報端末(スマートフォンやタブレット、家庭用情報機器)用途として開発されているものですが、これを専用サーバーにしているケースがあります。
ノートPC用に開発された、Core2Duoなども、消費電力が少ないため、悪くはないのですが、CPUパワーはどうしても、サーバー専用のチップ(Xeon等)には劣ります。
静的な、アクセスの少ないサイトを運用するには十分かもしれませんが、CMSに代表されるような、データベースと連動したサイトには、どうしてもCPUパワーが足りません。
CPUパワーが足らないと、「重たい」「表示が遅い」といった現象となり、エンドユーザーにとっては、イライラ以外の何者でもありません。ぜひ、専用サーバーのCPUを確認してほしです。
初期費用0円の原資?
キャンペーンは別として、初期費用0円~数万円の専用サーバーを提供しているところがあります。
どうして、そんな低価格ができるのか、考えたことありますか?
例えば、DELLでもHPでも、NECでも富士通でも何処でもいいです。
サーバーのページへ行って、Xeonチップ搭載の、RAID付きのサーバー構成で見積もりをしてみましょう。
キャンペーン値引きなどがあるかもしれませんが、数万円~十数万円はします。
毎月の利用料は、数千円~数万円ですので、どう計算しても、何年も持ち出しをしていることになります。
企業は営利団体のため、損をすることは概ねしません。
どうしているかというと、解約になったサーバー機を使い回しているケースがほとんどです。
HDDなどの回転するものは新品にしているところもあるようですが、ほとんどはOSを再インストールしています。
そのため、安い初期設定費で利用できるのですが、所詮は中古ですから、故障率は高くなっています。
どうせ、初期設定費を支払うのであれば、新品を利用したいし、最新のCPUのものを利用したいと思う人もいるのです。