レンタルサーバー探しの考え方 実践編2!
その1からの続きです。
よくあるパターンでA社B社2つのサンタルサーバー会社がある場合、「B社のほうが容量も多いし、価格も安い!」でも、A社もB社も、
- サーバーの設置場所/設置環境
- サポート体制
- 障害情報と安定性
必要な情報が不明瞭なためどちらが良いかは判断できない、なんて事はよくある話です。
ではレンタルサーバーの設置環境はどう考えればいいのでしょうか?
今回はサーバーの設置場所/設置環境についてお話していきます。
サーバーの設置場所
インターネットは世界中に繋がっているから、サーバーはどこに設置されていても関係無いと思っている人は現在では少ないかもしれません。
確かに、日本にいても、アメリカのサイトや、フランスのサイトなど、他国のサーバーに比較的高速でアクセスできはします。
しかし、日本人向けのホームページを作るなら、サーバーの設置場所も日本国内にすることを奨めます。
理由は、「物理的な距離が遠くなるほど、途中で物理的なネットワーク障害が起きる確率が高くなる」からです。
インターネットという通信ネットワークは、音声電話回線網よりも信頼性が低いです。
携帯電話は別として、あなたが公衆電話や自宅の電話で話しているときに、いきなり切れたという経験はどれほどあるでしょうか。
ほとんど無いか、あっても記憶していないほどでは無いでしょうか。
それぐらい、音声通話ネットワークは安定していると言えます。
救急車や110番するときに、電話がつながらない!なんてことになったら大騒ぎです。
しかし、インターネットが、繋がらない、遅い、 途中で切れるのは度々あるわけで、ようするに不安定なのです。
ADSLとて8Mとか12Mとか言っておきながら、実質はその半分の速度も出ないのが常識でした。
そのため「最大12M」と言っていたわけです。
電話網とインターネット網はプロトコルが違うから当然なのですが、webサイトの場合どうせ更新すれば再表示されるから、それほど気になりません。
とは言えより快適なアクセス環境を実現するためには、少しでも繋がりやすい場所にサーバーを置くに越したことは無いわけです。
日本から海外のサーバーにアクセスするということは、日本から海外まで数百kmも伸びた通信回線を、データが送受信されるということです。
もちろんその途中では様々な通信事業者の通信機器(ゲートウェイやルーターなど)を経由し、そのどこかで何らかの障害が発生した場合に、
繋がらないや遅いという現象が起きます。
だからサーバーまでの物理的な距離は近いに越したことは無いですし、出来るだけ少ない経路で到達するほうが望ましいわけです。
海外サーバーにもメリットはあり、国内サーバーに比べて圧倒的に価格が安いことです。
アメリカなどは日本に比べて土地も広く、年間通して気候が低く安定している地域もあり、日本よりもインターネット先進国が圧倒的に多いです。
設置場所の土地代や維持費も安く、国と土地によってはそれなりに設備もしっかりしているでしょう。
ハードディスクも大容量の割には、月額使用料が安いのでお買い得感もあったりします。
海外サーバーのもう一つの利点は日本との時差です。
例えばアメリカの場合、日本とは昼と夜が逆転するので、日本でのアクセスピークの時間帯、午後11時から深夜2時ぐらいまで、アメリカでは真っ昼間なのだから、通信回線やサーバー資源をフルに使えます。
このように、国内も海外もそれぞれに利点があります。
どちらを選ぶかは自由ですが、やはり私個人的には国内設置を薦めます。
間違っても価格の安さだけで選ばないように注意してほしいです。
サーバーの設置環境
設置場所と同じぐらい重要なのは、その設備です。
電源管理、入局管理、耐震管理、空調管理、監視、保守体制etc...
電源管理は、サーバー管理の基本です。
停電しても、サーバーへの電源は供給し続けなければならず、予備電源装置の確保は大切です。
例えばノートパソコンをサーバーにすれば、バッテリーで多少は時間稼ぎできますが、あまり現実的ではないし本来その程度のレベルで済む問題ではありません。
複数のサーバーを扱うデータセンターの場合、そのサーバー本体だけでなく、ルーターやハブなどのネットワーク機器全てに電源を供給し続けなければなりません。
忘れがちなのが、入局管理です。
単にデータをウイルスやハッキングから守るという意味だけではなく、サーバセンターへの物理的な侵入を防ぐという意味です。
もしあなたが、Googleのサーバーがどこに設置されているかを調べて、かつその場所に簡単に侵入出来て、そのサーバー本体に直接触ることができたとしたら、あなたは何をするでしょうか?
- 電源ケーブルを抜く
- 水をぶっ掛ける
- 備品を持ち出す
などの行為も可能ですが、そんなことしないとしても、ハードディスクを初期化して全データを削除するくらいは思いつくでしょう。
実際はそんなことよりもっと有益なことができます。
それはデータの改ざん、つまり書き換えです。
もちろん、ログインIDとパスワードを破るという壁はありますが、telnetでの接続が可能だという点ではかなり危険な状態です。
もしあなたが好きなように書き換えることができるとしたらなんでもありです。
つまりアクセスの多いサイトのページを独占するという行為は、テレビの生放送中のスタジオを占拠するのと同じぐらい危険な行為なのです。
ウイルスやハッキングなどの、ネットワークからの侵入だけでなく、物理的な侵入も防ぐことが大切なのです。
大手のレンタルサーバー会社は、自社専用のデータセンターを保有し、かなり充実した設備であなたが利用するサーバーを守っています。
そのかわり月額料金が高くなるわけです。
データセンター内部の様子を写真で公開しているサイトもあります。
実際に入室して確かめることはできませんが、写真を見るだけでもその雰囲気を確かめることができます。
内部の写真だけでなく、その管理体制や、建物の詳細情報を公表しているところも信用できます。
逆に一体どんな設備なのか?どこにあるのか?が不明確なレンタルサーバー会社はそれが確認できるまで、いろいろ調べた方がいいでしょう。
メールや電話などで直接その会社に問い合わせてみるのもありです。その応答内容や態度で信用できる会社かどうか?も判断できます。
続く…