レンタルサーバーの選び方は◯◯と一緒!?

「これからwebサイトを立ち上げよう!」と思っているなら、何がしかのwebサーバーは必要になります。

レンタルサーバーの選び方は、「家は買ったほうがトクなのか? それとも賃貸の方がいいのか?」と話が同じです。

  • 共有レンタルサーバー
  • 占有レンタルサーバー
  • 自作
  • おまけ


「webサーバーを借りる」は「不動産屋に行って賃貸物件を借りる」とほぼ同じです。

物件には、アパート、マンション、借家などあり、思い切って戸建てを買うという選択もあります。

サーバーもそれと同じと言えます。

 

共有レンタルサーバー

物件に例えると「アパートを探してみよう。そんなに広くなくてもいいし、少しぐらいなら駅から歩いても良い。自由に何でもできる」という感じで、1つの建物に複数の住人が集まるアパートです。

共有レンタルサーバーは、1台のwebサーバーを、複数の人間が共有して使うというシステムです。

このシステムに加入を申し込むと、webサーバーのHDDにあなた専用のディレクトリ/フォルダが作られます。

そして、そのディレクトリには、あなた専用のURLが割り当てられます。

○○○.com など、自分が好きなドメイン名を割り当てることも可能です。

あとは、そのディレクトリにファイルでもなんでも好きなだけアップロードしていきます。

現在、このようなレンタルサーバーサービスを行なっている会社は、大手から小規模まで合わせると数十社以上存在すると言われています。

その中から、最適なレンタルサーバー会社を選ぶのもかなりの作業です。

実際に賃貸アパートを探すときにも、家賃、部屋の間取り、広さ、駅からの距離、築年数など、いろんな条件があります。

単に「家賃が安いから」というだけで選ぶと、後で後悔するのは白日です。

サーバーも同じで月額使用料だけでなく、設置場所(地域)、回線速度、バックボーン、安定性(故障頻度)、CPUやOSの性能、ハードディスク容量、サポート体制など、いろんな条件を比較し、検討すべきです。

 

占有レンタルサーバー

「アパートに住んでみたけど、6畳じゃ狭いし、隣に住んでるオバさんもウザい。管理人もうるさいし、ペットも飼えない。ちょっと家賃は高くなるけど、一戸建ての借家を探そう!」

1台のサーバーを自分1人で独占できるのが占有レンタルサーバーです。

借家を一軒借りたら、その家にあるすべての部屋をあなたが占有できます。

当然、共有レンタルサーバーよりも月額使用料は高いでしょうが、「共有ならではの悩み」を解決することができます。

例えば、共有レンタルサーバー(アパート)の場合だと、あなたのアパートに有名人が引っ越してきて、かつ、その住所がSNSで公表されたらどうなるでしょうか?

あなたが住むアパートには大量の「追っかけ」が襲来し、玄関も階段付近も人だらけ、たまったものではありません。

共有レンタルサーバーの場合、あなた以外の「超人気サイト」が、そのサーバーに入ってきてしまったら、そのサイトへのアクセスだけが一気に増えるので、結果として他のサイトへのアクセス通信速度や応答レスポンスに悪影響を与える可能性もあります。

最悪の場合、アクセスの多さに耐え切れず、サーバー自体がダウンしてしまうことも有り得ます。

これが共有サーバーならではの「悩み」の1つです。

住宅の場合そうなれば、アパートの管理人は、有名人に対して「迷惑だから出て行け」と言うでしょう。

レンタルサーバー会社は、あまりにアクセスの多いサイトには、アクセス量に応じて追加料金を請求することもあります。

もしあなたのサイトが大ブレイクしたら、今度はあなたが引っ越すのです。

 

自作で構築


「マンションだと管理費かかるし、エレベーターも豪華なロビーも無駄だ。どうせ買うなら、いつでも勝手に増改築できる一戸建てのほうがいい。」

自分でwebサーバーを構築して、自宅または自社オフィスに置く、こうすれば、レンタルサーバー会社にお金を払う必要も無く、サーバーの増改築も、回線増設も、なんでも思いのままです。

しかし、自宅や自社に高速回線を引くためには、通信事業者と契約して、回線工事を施す必要もあり、安定化やセキュリティの面も十分に考慮しなければいけません。

地震、火災、停電、部外者の侵入など、webサーバー回りを物理的に守る手段も、すべて自分で考えて準備しなければなりません。

もちろんサーバーに詳しい人材を確保しなければならないので、初期構築から保守まで、その運用における人的コストも考える必要があります。

初期構築においては、将来性を考えて入念に設計しなければいけません。

例えば、あなたが新築の家を建てる場合、

「将来、子供が生まれた時のために、部屋は最低4つは欲しい。けど今は夫婦二人だから必要無いしなあ」

とか、いろいろ迷います。

webサーバーも、「将来どのくらいのアクセス数が来るか?」

「1アクセスあたり、どのくらいのデータをダウンロードするか?」

が予測できないと、はたしてどの程度のスペックが必要なのか分からないのです。

これを考えるのはとても難しいことで、実際は誰にも分からないある意味ギャンブルです。

「家族が増えてから、部屋を増築すればいい」と思うかもしれませんが、サーバーの場合そう簡単には行かないでしょう。

サーバーを増設するということは、パソコンの電源を落とし、メモリを増設し、ハードディスクを増設し、場合によってはOSやモジュールをアップグレードして、再起動しなければならなくなります。

その作業が終わるまで、誰もあなたのサイトを見ることはできません。

いわゆるメンテ状態を表示できればいいですが、「サーバーが見つかりません」状態で落ちているような形になります。

もしあなたのサイトが1日に数万アクセスを誇る巨大サイトの場合、「落ちている」時間が長ければ長いほど、その損失は莫大なものなのは言うまでもありません。

この何十年で落ちているサイトなど大量にあったため、サイトが落ちているからといった爆発的なイメージダウンにはなりませんが、落ちまくっていれば迷惑極まりないです。

レンタルサーバーの場合、大体の場合、サーバー会社に乗り換えることができたり、ドメイン移行で今まで使っていたURLがそのまま引き継がれるので、訪問者への影響も無いです。

つまり、賃貸物件なら、いつでも広い部屋に引っ越すことができる訳です。

こうなると、結局、レンタルのほうが得なの?という話しになりますが、それも一概に言えません。

例えばHなサイトを運営したい場合、レンタルサーバー会社が貸し出しを拒否するケースがあります。

そうなると自前でサーバーを作った方が安かったりします。

企業向けの考えですが、映像ストリーミング配信などをやりたい場合、テラバイトの大容量ハードディスクが必要な場合もあります。

一般にレンタルサーバーの月額使用料は、ハードディスクの容量に比例して高くなるため、レンタルより自前のほうが割安になります。

 

おまけ

プロバイダの無料スペース

今ではほとんど消滅してしまいましたが、プロバイダの無料スペースと言うのも昔ありました。

加入しているプロバイダが無料で提供しているホームページスペースで、ほとんどのプロバイダでは、追加料金を払うことなく、誰でも気軽に使用できました。

とりあえずホームページを持ちたい、という人の練習にお勧めでした。

プロバイダの無料スペースは、ほとんどが、

・ 自作cgiが使えない
・ 自分が好きなドメイン名を使えない
・ ハードディスク容量が小さい
・ データベースがいい感じに使えない

などの制限付きになっていました。

「ホームページを作って、アップロードする練習」程度のものだったので、今では探すことすら困難です。

本格的なサイト運用をしたいなら「独自ドメインの使用」はキーになりますが、今では他社が運用しているサービスに乗っかった方が割安で手っ取り早く、昔と違い汚染されてしまった検索エンジンよりも、サービス提供側でサイト内検索ができる、固有サイトの方がメリットが大きいため、このレベルのサービスを利用する必要は無くなりました。